手壊し解体が行われる理由とは?

手壊し解体について

解体工事の中には、重機を利用せずに人間の手を使って丁寧に建物を取り壊していく手壊し解体というものがあります。
手壊し解体とは、バールやチェーンソーなどの工具を使用しながら、人力で解体していく方法です。場合によっては一部小型重機を使用することもありますが、基本的にはすべて人力で行っていきます。                                           重機を使うことで、作業効率は上がりますが、やはり繊細な作業などは、人力で行わなければなりません。                   工法にとらわれることなく、臨機応変に対応することができるのが、手壊し解体の特徴でもあります。

 

 ≪手壊し解体が必要な理由≫ 

・ 道路と敷地に高低差がある

・ 道幅が狭い 

・ 段差や階段状になっている

・ 建物が奥まった場所にある

・ 人通りや交通量が多い 

通常は重機を利用して建物を壊す解体作業ですが、手壊しが必要なケースの多くは、重機を現場まで搬入できないことが多いです

 

≪メリット≫ 

  • ・騒音や振動、粉塵を抑えられる                                                         重機を利用すると、大きな音が出たり振動を発生させたりすることになりますし、建物が崩れ落ちる際には粉塵が宙を舞います。工事で発生する騒音や振動はかなりのストレスになるため、近隣トラブルに発展する可能性もあります。ですが、手壊し解体では、これらの可能性を必要最低限にすることができます。

 ・安全で丁寧な作業が可能
 重機を使ったほうが楽に早く解体を進めることができますが、危険も伴います。人的被害を出すことも考えられますし、近隣の建物や車両を傷つけてしまう可能性もあります。手を使って解体工事を行えば、細かなところまで慎重に丁寧に解体することができますし、近所迷惑を防ぐこともできます。

 ・長屋解体との相性が良い
 長屋とは、複数の住戸が壁を共有して連なっている作りの住宅スタイルのことを指します。長屋は壁を共有しているため、重機では隣の部屋の壁を傷つけてしまいます。こういった長屋切り離し工事では、手壊し解体で少しずつ解体作業をしていきます。隣家に対する損傷や騒音を抑えながら、解体工事が行えます。

 ≪デメリット≫

・解体工事に時間がかかる
 手作業は重機よりも何倍も時間がかかります。また、天候に左右される可能性が高いことも、時間がかかる要因の一つです。作業員の安全を考慮した結果、それに相当した時間を要することになります。

 ・解体費用が割高
 重機で一気に解体するのとは異なり、作業員の数も多くなります。作業日数も長くなるため、かなりの費用が発生する可能性があります。

 ・廃棄物処理に手間がかかる
 重機を使用できないということは、廃棄物の運搬も人力で行わなければなりませんので、廃棄するにも通常より多くの時間がかかることになります。

 

重機を利用して解体工事ができれば、時間も価格も抑えることができますが、やはり建物の状況によっては手壊しを採用するしかない場面も存在します。手壊し解体することで騒音や粉塵を軽減でき、安全で細かい作業が行えます。こういったメリットも踏まえて、解体作業の目的にあわせて、手壊し解体を併用しましょう。

*次回はアスベスト解体工事について紹介していきます。