解体工事の工法にはどんな種類があるの?

解体工事の種類・工法について

解体工事と言っても、重機でどんどん取り壊していくわけではありません。                                 

解体工事にはさまざまな方法や工法があるため、解体の目的や構造などに合わせた解体が必要になるのです。また、木造の建物よりもコンクリート造の建物の方が時間と費用もかかり、解体の工法も異なります。

構造ごとに主要な工法を紹介していきます

■ 木造

木造の建物は古くからの一軒家に多く該当し、木で構成されています。
そうした木造の建造物の解体では、最初に各部屋の内装を解体します。

その後、建物全体を取り壊すため重機を用いて木造部分や地中に埋まっているコンクリートの基礎を解体します。
解体後は燃えるものと燃えないものを分別し、撤去後の除去まで行います。

また、建物本体の取り壊しの他、敷地内にブロック塀などがあれば付帯工事として取り壊しも行います。

重機の搬入が困難な場合、「手壊し工法」による解体をします。

文字通り、手を使い人力で解体する工法です。重機などを用いないため、騒音や振動が比較的抑えられるのが特徴です。
また、建設リサイクル法などで定められている「分解解体」に沿った形で解体が可能です。

重機と手壊しを併用して解体する「重機併用工法」もあり、リサイクルのための資材の選別をしながら効率よく解体する場合に採用されます。現在では、最も一般的な工法とされており、木造住宅などの解体で行われています。
日本では、住宅同士が密接していることが多いため、そのままでは重機が入れないことも多いです。
そのため、最初に人力である程度解体を行い、スペースを確保してから重機で解体をしていきます。

■ コンクリート造(RC造)

木造より頑丈な建物全体がコンクリートで構成されたコンクリート造(RC造)の建物は解体もしづらくなります。
そのため重機で屋上から下の階へ解体する「階上解体」、地上から重機で解体を進める「地上解体」などを行います。

他にも、専門の機器による「圧砕機工法」「大型ブレーカー工法」、階ごとにそれぞれ解体していく「ブロック解体」「だるま落とし式解体」「上部閉鎖式解体」、建物を敷地側に崩していく「転倒工法」といった解体工法があります。

重機にショベルなどのコンクリート圧砕機を取り付けて解体する工法「圧砕機工法」は、現在のコンクリート解体では主要な方法とされています。 油圧式の機械を用いて、鉄骨やコンクリートに圧力をかけ、破砕したり切断したりします。

■ 鉄骨造(S造)

建物の柱や梁といった主要な構造が鉄骨になっている鉄骨造(S造)は、壁や床には木またはコンクリートを使用します。
そのため、鉄骨と木を使用している建物は内装の撤去を手壊し工法で行い、屋根や外壁を重機で解体します。
コンクリートも使用されている建物は重機を中心に解体をします。

その際に「鉄骨切断カッター工法」「ガス切断工法」により、鉄骨部分を運びやすくするのが鉄骨造の解体工事の特徴です。比較的振動もなく粉塵も舞いにくく、解体スピードが速いため大型の建物でも対応できる方法です。

 

このように、解体工事と言ってもさまざまな種類や工法があるので、適切に使い分ける必要があるのです。

 

*次回は解体工事業として必要な資格について紹介していきます。